インターネットから 〔第1回〕
平成8年1月15日
淡水大魚研究会
北関東支部 遠藤和彦
昨年12月、話題のインターネットをはじめて操作してみました。早速、鯉釣りのエサは
どこかにないものかと探して見たところ、イギリスから面白そうな記事を見つけましたので
紹介させていただきます。この餌は、熱湯でゆでる(ボイルする)せいでしょうか、『ボイ
リー』と呼ばれているようです。
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安価なゆでエサ『ボイリー』の作り方 BY
ピーター(英国)
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ここ数年、私はイギリスと外国での淡水魚釣りを通して、大ゴイ釣りの餌について必ずしも
運任せばかりではないことに気づきました。私は過去さまざまな餌を試してみましたが、ここ
数年間はこの餌を使用しています。
【基本エサの構成】
・黄セモリナ粉
8オンス(約226g)〔1オンス=28.3g〕
・魚粉 6 (約170g)
・ロビンレッド 2
(約 57g)
・ミックススパイス 少々
【ニオイの成分】
・メガスパイス 5cc
(ハッチンソン釣竿店)
・種エサ成分 5cc
(ハッチンソン釣竿店)
・RH1オイル 12滴
(ハッチンソン釣竿店)
・魚エサ(含油) 20cc
(地元マス漁師から)
私は、このエサで、たくさんの大ゴイを釣りました。
○セモリナは、あちこちのパスタ店や大きなパン屋で購入できます。25Kg入りで1袋
9ポンド(1500円、1ポンドは約160円)です。
○魚粉は、動物飼料店で1袋10ポンド(1600円)で購入できます。
ちなみに私は、チリ産のアンチョビ(カタクチイワシ類の小魚)とイワシの混合魚粉を
使っています。
○ロビンレッドは、イングランド東部のリンカーンシャー州、クリソルペス・ハイツにあ
るイギリス・鳥餌会社の商品名です。ロビンレッドの成分は、スパイスと赤唐がらし等
で、主に鑑賞用の鳥の羽根の色つやを良くするために食べさせます。
○魚エサ(含油)は、冬季の疑似鈎に使われます。温度が低くなると、油は固く成り、粘
度が増してきます。
〔作り方〕
①先ず、卵(サイズ2)6個のかき混ぜます。
②生地が指にねばらなくなるまで粉を加えます。この時、粉を入れすぎないように注意
して下さい。バサバサになるとロールにできなくなってしまいます。
③手でロール状に伸ばすか(時間がかかる)、射出器で長いソーセージ状に押し出しま
す。(私は、14ccエサ用射出器を使っている。)
④そのソーセージ状のエサを、沸騰した湯で2分間ゆでます。
⑤ゆでた後、取り出してタオルか布の上に置き、水気をとります。
(私は、このエサを一晩そのまま置いてから、使用するか、すぐに使わないときは冷
凍している。)
この卵6個のベースで、通常2ポンド(1Kg)のエサができあがります。
『ボイリー』作成の秘訣
この文章を読んでいる人は、イギリスに住んでいる人ばかりとは限らないので、原材料を
捜せる場所を紹介します。
○健康食品店は、釣餌としてほとんどのものが手に入る一番のおすすめです。
・きな粉
:主要材料としてセモリナ粉よりやや優れているが、柔らかいエサに
なるので注意して下さい。
・醸造用イースト:集魚材料として乾燥状態の混合で1ポンド[0.45Kg]あたり1~2オ
ンス
[30~50g]添加します。
・香辛料
:パプリカとかシナモンなどの香辛料。
・ トウモロコシ粉:流れ川に向き、比重が重く、かつジャミに強い大変すばらしい主要
材料です。多くの固い市販のゆでエサには、コイの好むトウモロコ
シ粉と豆乳タンパク質が含まれています。
・ エッセンシャルオイル:芳香治療で使われるエッセンシャルオイル(精油-香水の原
料)で、いいものもあるが中にはがらくた同様のものもある。最も
良いものの一つは、ブラックペパーとゼラニウムです。これらのオ
イルを極少量使います。通常、卵6個あたり12~24滴です。
・ 液体アミノ酸 :時々健康食品店は、ボディビルディングの部門を経営しています。
そこで液体アミノ酸を捜してください。これは通常、肝臓(レバー)
と脾臓の濃縮瓶詰と呼ばれています。もし手に入らなかったら、液
体肝臓もいいです。集魚の状況により卵6個あたり5~20cc使
います。実際、粉末レバーはとてもすばらしい集魚剤ですが、とて
も高価です。乾燥混合で1ポンドあたり、1オンスがベストです。
○地方のペットショップでもすばらしい材料が手に入ります。
・鳥のエサ
:柔らかいものは卵から作られ、スパイス類は最高のエサです。
・ 犬猫用スナック:魚粉の代用にひいて粉にできます。実際、多くの生臭い猫のスナック
は魚粉を含んでいます。また、水面でコイのエサ釣りをするために
水に浮くタイプのスナック類もあります。
このほか、各種の種や豆類も見つけるのを忘れてはなりません。
○スーパーマーケットにはたいへん安い大ゴイのエサと主要材料があります。
・煎りゴマ油 :優れた集魚剤で卵6個あたり15cc入れて下さい。
またスパイスコーナーにも優れた材料があります。普通、ボトル入りの香味料が売られ
ています。卵6個あたり少量3~5cc入れて下さい。(入れすぎると逆効果になりま
す。)香味料を使うときは、試しにわずか入れるのが良い結果となります。常に少量か
らはじめて毎回少しずつ増やしていくのです。しかし、香味料をたくさん使えばコイが
たくさん釣れるとは限らないことに注意して下さい。
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アメリカでの私の『ボイリー』の混合
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ほとんどの材料は、地方の健康食品店やスーパーマーケットで買えます。
・黄セモリナ粉
:10オンス(約280g)〔1オンス=28.3g〕
・大豆粉
: 6オンス(約170g)
・醸造用イースト
・ミックススパイス :少々
・黒胡椒オイル :20滴
・カエデ芳香剤 : 4cc
・中サイズ卵 : 4個
もし、安くボイリーを作りたいのなら、主要材料として黄セモリナ粉を使えばいいのです。
この黄セモリナ粉を手に入れる最良の場所は、パスタの工場かどこかパスタを作っているところ
(イタリアではないですよ!)。通常25Kg入りの袋を安く売ってくれるでしょう。そこで話し
てならないことは何故それがいるのかということです。さもなくば、コイ釣りについて説明するの
に3年間はかかってしまうでしょう。もし、黄セモリナ粉が手に入らない時の第二の候補は大豆の
粉で、さまざまに加工されたものはまさに最高の餌です。健康食品店やスーパーマーケットは、材料
の宝庫です。パプリカやシナモンのようなスパイスはすばらしい添加物となります。また、黄セモリ
ナ粉10オンスを大豆粉と卵で混ぜると香りと色とも、まさに市販のボイリーそのものです。素材の
混合を調節することによって必要とするさまざまな種類の混合を作りだすことができます。上記の黒
胡椒のエッセンシャルオイルは健康食品店で手に入れることができます(芳香治療で使われる)。とて
も高くて小さい瓶でも7ドルします。しかし、ほんの少しでよく、少なくとも10回分使えます。
これで、ボイリーとはどんなものかおわかりいただけたでしょうか?
このエサで大きなミズーリゴイが釣れました。
また、鯰も釣れますよ。
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以上、拙い英文和訳ですが、何とか意味がご理解いただけたでしょうか。
私は、まだこのボイリーとやらを実際に作ったことはありませんが、釣れなくてスランプに陥った
ときにだまされたと思ってやってみようと考えております。
本文が、会員諸兄のご参考になれば幸いです。 (遠藤 和彦)
[参考]
本文1ページ目の【基本エサの構成】の成分を計算すると次のようになりました。
・鶏卵6個 360g
・黄セモリナ粉 226g
・魚粉 170g の場合、
[成分構成比率]
たんぱく質 = 24.5%
脂 肪 =
6.2%