テキスト レンギョ・ソウギョ瓔珞(ヨウラク)釣り   小西茂木

瓔珞というのは、寺院の内陣(本尊を安置した場所)の正面に吊り下げてある荘厳具(かざり)のこと。この仕掛けを使う時の状態が瓔珞に似ていないことはないので、他の使い方と区別して瓔珞釣りと呼びます。
仕掛けの構造そのものは特殊な形ではないが、その使い方、釣り方に特別な工夫があります。これの操作に熟練し、自由自在に使いこなせば、船を使わずに、岸から10〜20メートル先のポイントの宙(水の上・中・下層)を自由に釣ることが出来ます。両大魚ともに、宙釣りの有利なことはすでに証明されています。

▼ヨウラク仕掛けの材料
スナップ付ヨリモドシ全長37〜40ミリのもの。丸セイゴ20号。ダクロン30ポンドまたは漁網用ナイロンより糸中太。ハリガネのラセン、直径10ミリ長さ35ミリを手製(エンピツに巻きつけて作る、下部を太くしない。)長さ2〜3センチのヨリモドシをつけた遊動ウキ。2〜3センチ大のヨリモドシを取り付けたナツメまたは丸型オモリ5〜7号。同2〜3号。

▼釣り支度
道糸6号(太いと操作がやりにくい)、先糸5号1メートルにナツメ型オモリ2〜3号を通して下端で固定する。まず道糸に5〜7号オモリにとりつけたヨリモドシの環を通し、次に遊動ウキのヨリモドシの環を通してから、スイベルに結ぶ。(下図参照)道糸にウキ止めをつけず、ウキと道糸オモリは自由に上下するようにする。ウキにはエサつきの仕掛けを浮かせるだけの強い浮力が必要。道糸オモリのヨリモドシが小さいと、抵抗が強くてウキが浮上しない。先糸のオモリが1号ではアワセのショックが弱く、また、少し流れがあれば仕掛け(エサ)がふらふらとゆれてよくない。道糸オモリが余り大きいと仕掛けをあげる時に、底にひっかかりやすい。余り小さいとエサの高さ(ウキ下)を加減しにくい。水深と流れの強弱を見合わせて、大小を決める。

▼エサづけ
円筒形ラセンを中心に、なるべく柔らかく練った「大 ごい」などを太いピーナツ方に練りつけ、短ハリスのハリを両側から押し込む。ハリ先が出ていてもさしつかえない。レンギョ
ねらい専門なら、長ハリス下バリに小玉のネリをつける。小玉が落ちてもラセンのエサがある限り、アタリが出る。レンギョ・ソウギョ兼用なら、エサのねりぐあいをを加減して、少しとけにくくする。
春〜秋の時期の普通の状態の場合、レンギョは水の上層に、ソウギョは中層か下層に近い位置を回遊しているから、数メートル以上の水深のあるポイントではソウギョかレンギョどちらかにねらいを決めて、ウキ下寸法を調節する。

▼釣り方
サオを振り込み、仕掛けが着水すると同時にサオ先を下げ道糸をたるませると、まず道糸オモリが、次にエサが底に着く。そこで底から2メートル上の宙を釣りたければ、それだけの道糸を静かにゆっくりと巻き込む(1メートルを巻き上げるにはリールのハンドルを何回転させればよいか、あらかじめ調べておく)。ゆるくても流れがあればウキと道糸オモリの間の糸が下流に傾いて、仕掛けが静止する。深いポイントの上層を釣る時はウキを固定すればよい。レンギョ、ソウギョどちらにしても、常にサオにてをかけていて、すばやく強いアワセをくれることだ。

【編者註:この故小西初代会長の釣技へのこだわりと工夫する姿勢には多く学ぶものがあります。(遠藤)】